皆さんこんにちは!川崎学舎の今村です。今回は、2023年度・2024年度と2年連続で法政国際への合格者を輩出した経験をもとに、合格に必要な戦略についてお話しします。実際の合格者例や科目別の傾向分析から、合格のカギを明らかにしていきます。
【第1章】法政国際の合格ラインと特徴
法政国際の合格ラインは、例年300点中200点程度(約7割)と高めです。過去数年の合格最低点は以下のとおりです。
2024年度:198点
2023年度:205点
2022年度:191点
2021年度:193点
川崎学舎が判断する難易度評価(S~Dランク)は以下のとおりです。
英語:S(最難関)
国語:A(やや難)
数学:B(標準)
ここ数年、英語はさらに難化傾向にあり、より高度な英語力が求められます。また、数学も2023年・2024年で傾向が変化し、新たに文章題が出題されるなど対応力が必要です。国語はやや難度が高めですが、点数に一番差がつくのは英語になってきます。
【第2章】科目別攻略ポイント
数学(難易度:B)
出題形式:小問集合+大問3題
小問集合はMARCH付属校の中では易しく、落とせない問題が多い。
大問は「関数」「立体図形」「文章題」が中心。
関数のレベルは簡単。
立体図形は難化傾向が続く。
2024年度から文章題が新規出題。
今村コメント:毎年「動点」に関する問題が出るため、「関数+動点」「立体+動点」「文章題+動点」という複合的なパターン演習が必須。これまでは難易度・出題テーマにブレが無かったので安心して対策できたが、24年度は大きく変動。「これまで出てないからやらなくて大丈夫」と思っていると、当日足元を掬われるかもしれない。
英語(難易度:S)
出題傾向:
文法問題(整序作文・適語補充)
単語レベルは英検準2~2級程度で、仮定法など難度の高い文法項目も出題。
長文読解(説明文・小説文)
説明文:科学・環境など背景知識があると読みやすい分野から出題。
小説文:「人生で大切なことは何か」を伝えるメッセージ性の強い文章が出題される。
英作文:100字程度の自由英作文
参考書から使える例文を暗記し、そこに自分なりのアレンジを加える練習を積む必要あり。英検の自由英作文(writting)では、文法を間違えていなければ点数が貰えるが、法政国際の場合、文法が正しいのはもちろんのこと、文章として流れが適切か、伝えたい事を伝えているかが採点に大きく影響する。
今村コメント:英語文法は、文法書をやったからと言って入試問題で点数が取れるようにはなりません。入試問題特有の「ひっかけ」ポイントや、受験生が「間違いやすい」ポイントなどを指摘してきます。文法書で基本を固めたら、沢山入試問題に触れて、問題の出され方を把握していきましょう。
国語(難易度:A)
出題傾向:
2題構成で、どちらも論説文。文章のレベルは高いが、基本的には選択肢の問題なので、落ち着いて選択肢を吟味することができれば高得点を狙える。大問数30に対して、7割は読解。漢字は準2級程度で10問出題される。
門野坂コメント:理解が難しい文章でも、「どこが根拠になって正答の選択肢になっているか」をきちんと確認していけば、確実に点数が伸びていくよ。丁寧な直しが大切!
【第3章】合格者の合格の軌跡
では、法政国際の出題傾向が分かったところで、川崎学舎から法政国際に合格した生徒がどのように成長し、合格したのか振り返ってみます。
2023年度合格者 Nさん
合格スコア目安:英語75点・数学85点・国語80点
Nさんは、中学1年生の冬から共に勉強をしています。解くのは早いけど雑な所があり、定期テストや模試では「取れる問題」で点数を落としていました。そのため、中学3年生時の内申点も37と、Nさんの実力からしてみれば少し物足りない成績でした。
中学2年生の冬までは「言われたことをしっかり勉強する」スタイル。宿題が出れば出た分だけこなす。一見するとしっかり勉強していそうですが、「自分の受験のために」勉強できているわけではありませんでした。
中学2年生の冬頃から志望校について共に考え始め、「面白い部活動がある学校」というユニークな視点から学校探しをし始めました。
それ以降は、誰よりも早く塾に来て苦手単元を洗い出しひとつずつ補っていったり、法政国際の問題を解き自分なりに分析。英単語のレベルがまだ足りない事を自覚し、川崎学舎で作成している「イディオムマスター」を何周もしたりしていました。
志望校のことを自分で考えるようになり、「自分から」勉強する姿勢が見え始めたんです。
元々本を読む習慣がついていたので、国語は高得点をキープ。数学は得意だったものの単元によって得意不得意があり、特に平面図形が苦手だったので一緒に補っていきました。
英語では文法の細かい知識が入りきっていなかったので、点数が安定せず。長文では、読解力を活かして内容一致問題の正答率が高かった一方、やはり「時制・用法」が狙われる文法に寄った問題で点数を落としていました。文法が固まりきっていないが故に、英作文でも文法面で用法が間違っていることが多く、何度も添削していました。
この「文法の基礎の荒さ」を誰よりも本人が一番自覚していたので、中3に入り、夏休み・冬休みの長期休みを利用して文法書を3周。また、ただ解くだけではなく「復習ノート」を作成し、自分が補わなければならない問題を定着させていました。
Nさんは質問の仕方・私たち講師の使い方が非常に上手でした。
各単元の全体像を掴むために、最初は「一通りどういう内容なのか説明してほしい」と言い、説明を受けるために質問。その後自分で演習題を解き自分で考えてわからなかった問題をすぐに質問。どういうアプローチか分かった時点ですぐ質問をやめ、自分で問題を解きにいっていました。
自分でやれること、自分でやったほうが良いことは自分でやり、人に聞いたほうが早いこと、人に聞かないとわからないことはすぐ聞く。
このスタイルが法政国際合格を勝ち取った大きな理由だと思います。
2024年度合格者(男性)
スコア目安:英語80点・数学90点・国語60点
国語が苦手だったが、英語・数学で得点源を確保し合格。
【分析】
いずれの合格者も英語で確実に点数を確保。
得意科目で高得点を狙い、苦手科目をカバーする戦略が有効。
「英語+得意な1科目」で勝負できる態勢を整えることが、合格再現性を高めるカギ。
【学習時間の目安】
平日:約6時間(16~22時)
休日:約12時間(9~21時)
このような学習時間を確保した上で、計画的に全範囲を見直していきましょう。
【合格までに取り組みたいこと】
下記は中学3年生が「法政国際」合格に向けて取り組むスケジュールの一例です。
時期 | 数学 | 英語 | その他・ポイント |
7月(1学期末~夏休み前) | 全単元を1周終了計算・連立方程式・関数小問・展開・因数分解・平方根・二次方程式などの苦手克服 | 関係代名詞・関係副詞・分詞構文を「品詞分解」を意識して定着 | 基礎固めの最終調整期間 |
夏期講習(8月) | 二次関数・相似を利用する平面図形を重点的に演習日大日吉などの小問集合にも着手 | 長文読解演習+文法総まとめ長文を通じ理社的背景知識も習得 | 重要単元の総仕上げ期間 |
9~10月 | 立体図形・場合の数・整数問題を強化週2回程度で日大日吉・法政大学高等学校の過去問演習 | 過去問+仮定法学習話法転換など細かな文法事項も網羅明治学院・日大日吉過去問で文法・イディオム確認 | 過去問で弱点発見・補強 |
11~12月 | 過去問8割・単元2割ペースで演習弱点補強に専念法政第二・青山学院の立体問題や中大付属の小問で苦手分野克服 | 難易度高めの長文演習(明大中野・中大高校過去問)で多様な英文に慣れる英作文対策として例文暗記開始 | 弱点補強のラストチャンス。過去問活用で得点力UP |
【第4章】「法政国際」合格に向けた戦略とは
英語力強化が最優先:上位レベルの単語・文法、長文読解、英作文まで網羅的に対策。
数学で安定得点:基礎問題を絶対に落とさず、動点を絡めた立体・関数・文章題など頻出パターンに慣れる。
国語での失点最小化:読解力と語彙力を磨き、青山学院の類題などから出題意図を組めるように反復。
【最後に】
法政国際合格には、中学2年生の冬から「受験生」という意識を持って学習習慣を確立することが欠かせません。英語・数学は積み上げがものをいう教科です。日々の学習を定着させる習慣を早期に身につけておくことで、先ほどご紹介した学習プランを着実に遂行できます。
実際、合格者たちは中学2年生の冬には既に学習習慣が定着し始めていました。この冬に基礎を固め、提示した攻略法を軸に合格へ突き進んでいきましょう!
【終わりに】動画での解説もしています!
川崎学舎では、2023年・2024年と2年連続で法政国際合格者を輩出しています。その秘訣は、生徒の学力や性格をしっかりと見定め、目標に向けてその子に合った指導を行えることにあります。興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
また、動画で法政国際高校の入試解説もおこなっていますので、ぜひ参考にしてください。
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